■ 仕事とは物語を作ること
人生とは一生の物語を作ること。
会社も同じです。
企業理念は、その会社がどんなストーリーを作ろうとしているかを示すものです。
会社の歴史はこれまでに作った物語。
ビジョンはこれから作る物語の筋書き。
そして毎日の仕事は物語の1ページを作る作業です。
そう考えると会社の情報を伝えることは、
会社の物語を伝えることと言えます。
商品もそんなストーリーの中から生まれたものです。
商品そのものではなく、その物語を売るという感覚が生まれます。
どんな会社にも、どんな商品にも物語がある筈です。
それを掘り起こしてみましょう。
■ 物語は人を動かす
では物語を伝えるとどんなことになるのでしょうか?
例えば、雪の中で練習している高校野球チームの話を聞いたり、オリンピック選手の貧しい少年時代のストーリーを聞くと、応援したくなりませんか?
また、同じような商品が2つあったとして、一方は商品にまつわるいい話を聞いていたらどちらを選びますか?
背後にある情報を知らなければ、その人にとって商品はモノでしかないのです。
人は感情で動きます。
物語はその感情を動かします。
しかも物語は興味を引きやすく受け入れやすいのです。
■ いい話はクチコミで広がる
人は誰でもストーリーが好きです。
いい話を聞きたいと思っています。
しかも物語は分かりやすく、共感を得やすく、いい話は人に伝えたくなるものです。
話したくなるストーリーを用意してあげればクチコミで広まります。
その上ストーリーは記憶に残りやすい。
これを使わない手はないのです。
■ 市場は物語を求めている
今はモノが溢れています。
でも人々は豊かな気持ちにはなっていません。
どこか満たされていないのです。
その隙間を埋めてくれるもののひとつが物語です。
市場はストーリーのある商品を求めているのです。
語れるどんな物語を持っているかが商品の価値を左右するようになります。
みんなまだ気がついていないけど、遠くないうちにそうなります。
■ 物語をマーケティングするとは
社内の物語を掘り起こし、メッセージのある情報に仕上げる。
そしてそれをどんな方法で誰に伝えるか・・・。
そんな策を巡らすことが「物語をマーケティングする」ということです。
ストーリーを使うのがうまかったのがナイキです。
同社は “Just Do It” をメッセージに掲げていました。
「まずやってみよう」といった感じですね。
これを契約アスリートを通して発信してきました。
有力選手の生い立ちや家族の支えなどのストーリーをまとめ、大きな大会の前にはメディアに配り、それがテレビや新聞で紹介されるという具合です。
心を動かす話に人々は共感し選手に声援を送る。
選手のシューズやウェアにはスウォッシュマークが光る。
優勝すればインタビューなどの映像に映るそのマークは輝きを増す。
それがナイキのブランドを作り上げていったのです。
アスリートというプレーヤーを使ったこの例を、特別なケースと考えるべきではありません。
契約アスリートもいわば商品です。
商品にまつわる物語を掘り起こし、メッセージと結びつけ、ターゲットに効果的に到達させる方法で伝えたのです。
あなたの会社でもできます。
さあ、物語を掘り起こして伝えていきましょう。
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